10都府県を対象とした緊急事態宣言の1ヵ月延長が決まった。
日々の新規感染者数は減少傾向にあるものの、2021年になってわずか1ヵ月のあいだに、「バーニーズニューヨーク新宿店が2月末に閉店」、「アパレル大手のワールドでは358店の退店に続き、2022年3月までに450店舗の閉店」と、アパレル業界の苦境を表すかのようなニュースが次々に発表。ワールドのあわせて808店舗の閉店は、ユニクロの国内店舗数と同等の規模だ。
三陽商会でも4度目となる希望退職者を募り、スーツ販売大手の青山商事では全国400店舗を対象に売り場縮小と、不振のアパレル企業は岐路に立たされている。
2回目となる緊急事態宣言では、アパレルショップへの営業自粛要請は無いものの「不要不急の外出控え」の影響もあって苦しんでいる店舗は多い。
今回は日本を代表するファッション・ストリートのひとつである渋谷から原宿に続く「明治通り」沿いを歩いてみて、緊急事態宣言下におけるアパレルショップの活況をレポートしてみたい。
明治通りが空きテナントだらけに
1月30日の土曜日。
この日の東京は冬の典型的な西高東低の気圧配置から最高気温が9℃、最低気温は1℃で晴天に恵まれた。
実感としてあまり人の数は減ったようには見えない。いわゆる「コロナ慣れ」だろうか。
はじめに渋谷の新名所「ミヤシタパーク」を背に、ラフォーレ原宿方面に向かって歩いていく。若者達で賑わう渋谷横丁を尻目に歩を進めていくと、ベイクールズが運営する「エディフィス トウキョウ(EDIFICE TOKYO)」渋谷店が見えてきた。
すると、どうだろう。明日(1月31日)を最期に閉店してしまうという。この店は、1994年に高感度な男性顧客層向けに、デイリーカジュアルからドレスウェアまで高品質な商品を提案する「エディフィス」の1号店で、同ブランドの人気の火付け役ともなった店舗だった。
27年という月日のなかで、明治通り沿いの主役ショップでは新陳代謝が繰り返しおこなわれてきた。最近では、パリのサッカークラブ「パリ・サンジェルマン」のオフィシャルショップ日本1号店として、再起を狙ったようだったが、新たな顧客を取り込むことは出来ず、惜しまれながら閉店となってしまったのではないかと想像する。
さらに歩みを進めていくと、数多くの空きテナントが目につき始めた。東郷神社まで6店舗、通りの対面の9店舗と合わせて15店舗ほどが、もぬけの殻。ビルの1階だけでこの数とは、正直驚いた。
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ひと昔前まで渋谷から原宿までの明治通り沿いといえば、若者の街「渋谷」とファッションの街の「原宿」を結ぶショッピングロードだった。渋谷消防署前の通りを通称「ファイヤー通り」、裏手に並行して通っている「キャットストリート」など、脇道のいたるところに、有名・個性的なショップが数多くあった。
明治通りとは、まさに渋谷と原宿をつなぐショッピングスポットのメイン通りだったはずだ。
あのユニクロが東京初の都心型店舗を構えたのも、この明治通り沿いだった。1998年に1,900円でフリースを200万枚販売したこの年には、店舗に長蛇の列が出来ていた。
当時のユニクロの成長エンジンのひとつとして機能した原宿店でさえ、2007年にUT専門店としてリニューアルし再活性を狙ったものの、2012年にその役目を終えて閉店。昨年、原宿駅前店がオープンするまではユニクロが無い状態が続いた。
最近、この通りには国内・外資を含めてスポーツ、アウトドア系のブランド出店が増えてインバウンド客の姿が目立っていた。だがコロナ禍にあっては、他の観光スポット同様にその姿を見ることがなくなってしまった。
https://news.livedoor.com/article/detail/19672392/
2021年2月10日 5時0分
現代ビジネス
「売上にもシビアに影響」
まずは「高感度な大人向け商品を揃える有力セレクトショップ」の店員(男性・28歳)だ。
「1月7日、2回目の緊急事態宣言が出てからは大きく来店客が減ってしまった。やはり飲食店が20時迄で閉店しているのが影響していると思う。外食とファッションは密接な関係にあって、ショッピングを楽しんだあとに美味しい料理を食べに行くというのが、休日・仕事終わりの楽しみのひとつだった。それがすっかり鳴りを潜めてしまった感じだ。
一方で、緊急事態宣言に入ってから予想以上に売れている商品もある。それはディフュザー(部屋用の芳香液)。おうち時間が増える中で、より快適な空間や癒しを求めて買っていく人が多いようだ」
一方、「インバウンド客で賑わっていたスポーツ系カジュアル店」のスタッフ(女性・26歳)はこう話す。
「新型コロナの国内初感染が出てから約一年。一度目の緊急事態宣言も明けて、外国人を条件つきで受け入れていた時期は来客もあったが、今ではインバウンド客は全くのゼロ。
来客は多い時と少ない時がまだらです。当然、リモートワークの人達は平日は外出しないから、休日の方が来店客は多い。二度目の緊急事態宣言が出てからは、「大丈夫?」ってわざわざ様子見がてら訪ねて来てくれる常連さんがいて助かっています。
カルチャーが喪われる
コロナ禍とは皮肉なもので、人との接触を憚るものでありながら、人と人との信頼関係が築けている店には、心配する顧客は顔を見せてくれる。そんな善意に満ちた顧客はそれほど多くはないのかもしれないが、本来、商いとは売る側と買う側の信頼関係がなにより大切だ。それは直接の接客を必要としないセルフやネット販売でも同じだろう。
ただし、セルフ形式のショップでは対人関係が薄い分、コロナによって足が遠のいたとしても、客側も気に留める機会が少ない。その意味では接触が少ないはずのセルフ接客型店舗でも、売上への影響が大きく出ている可能性は多いにありそうだ。
どうあっても、現在の環境下では例年以上の売り上げは見込めない。営業補償があるのは、飲食を中心とした一部の業種に限られている。
どの街にも、その時代によって「色」や「雰囲気」が存在する。特に渋谷、原宿といえば70年代~90年代にかけて日本のファッション・カルチャーを牽引してきたような街だ。
「渋カジ」、「裏原」などは、その街を土壌に育まれたカルチャーだった。時代を感じ取った店が集まり、感度の高い若者達が集うことで、そこから流行が生まれたのだ。
それがコロナ禍によって行動が抑制され、ショップが少しずつでも減っていくことによって、街の多様性が欠けていき、ひいては街の魅力・カルチャーが滅亡の危機に瀕している。
コロナ禍になって約一年。「不要不急」の緊縮生活によって経済をはじめ、その街の景色さえ変わりはじめている。日本を代表するファッション・ストリートのひとつの明治通りが、ファーストフードチェーン店やドラッグストアなど異業種にとって代わられる日がこないことを、心から願ってやまない。
10年単位くらいで変動起きるからな
先月30店舗撤退で空きテナントだらけでシャッター街
室内着をアピールしていかないかんな
世界人口80億突破目前なんだから
資源足りなくなるぞ
一頭地に構えた店で売ってる高い服だけがカルチャーというわけではない。
洒落乙な明治通り沿いでなんて一度も買い物した事ないし。
通販?
引用元: ・【コロナ不況】「明治通り」の景色が激変…! 緊急事態宣言下の「アパレルショップ」のヤバすぎる現実 [砂漠のマスカレード★]